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ヒカルは
サヤカとカオルと
すぐに打ち解けた。

サヤカは
『ヒカルちゃんって読んでいいかな？』
とヒカルに話しかけた
そして
『ここ機捜はね…　ハードだよ。私もこのカオルも何回も心が折れそうになったもん』
と語りかけた。

『潜入捜査とかですか？』
とヒカル
『そうだね…　私はそれでもと旦那との間に溝ができたもん…　』
とサヤカ
『だから私はもう結婚あきらめちゃったよ…。』
とカオル

つまり
機動捜査係の女性刑事は
ときに
その身体を使って
組織の奥深く潜入することも
任務の1つとしてあるということなのだ…。

サヤカは
かつて
広域暴力団幹部の情婦になりすまして
半年間の内偵を行い
拳銃密輸の一斉摘発に貢献したが
代償として
その幹部に妊娠させられてしまったのだ…
事件が解決したときには
すでに中絶ができない時期となってしまい
その結果
夫とは離婚…
今、サカヤがシングルマザーとして
育てている娘はそのとき
妊娠させられた子供だったのだ。

悲壮な過去…

ヒカルは動揺した。

サヤカは
それでもこの機動捜査係に赴任した
女性刑事の後輩を思いやり
このリアルな現実を
伝えることにしている。

『ヒカルちゃん…　まだ新婚さんでしょ？
旦那さんは、大丈夫そう？』

ヒカルはアキラに
思いを馳せて
瞳を閉じて胸のリングのネックレスを
ギュっと握った…。

すると
ヒカルの正義にいつも寄り添い
『俺は、ヒカルが安らげる港だよ…どんな時も。』
とかつてプロポーズの時にささやいてくれた
アキラの言葉と笑顔が
脳裏にうつった。

ヒカルは深呼吸をして
覚悟を決めた。

いつもの眼鏡の奥の
切れ長の瞳に
強い意思の光が輝いた。

『私は大丈夫です!!私の正義を貫きます』
とヒカルは
サヤカとカオルに誓った。

『よし!!女子3人、頑張りますか!!』
ムードメーカーの
カオルの差し出した手に
サヤカが上
ヒカルが下に手を重ねて
掛け声をあげて気合いを入れた。