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Face or Body

第24章 ダンナ(年齢50代半ば)

私は…
昔、正義のみかたに憧れていた。

まさに
私の父がそうだったみたいに…
時には
警察が民事不介入の原則で
取り扱わないようなことも
父はその解決に尽くしていた
『父さんはな… こう見えて、実は正義のみかたなんだ…』
そう大きな手で
私の頭を撫でてくれた感触は
今でも忘れない。

幼い私には
信じられない出来事があり
父を失ってからも
本当の正義のみかたになろうとしたが…

世の中には
汚れた手でしか
潰せない悪が存在していることを
知ってしまった…。

私は昨夜…
用なしになった男をこの手で殺めた。
私が事実上支配している
京浜会の若い衆を使って…

『ダンナぁ… そりゃないよ…。』と
悲しそうな瞳をしてたなぁ…
許せよ…洋一。

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