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Face or Body

第25章 展開

潜入後
1週間が経過した…

奈々の行方に関する
新しい情報がつかめぬままの
日々が続いていた。

カオルたちが
入手した
拓人と奈々の隣人の
香月博が拓人が死体で発見され
奈々が行方をくらませたのど
同時期に失踪したという情報が
この1週間で
機動捜査係が得た唯一の情報であった…

さすがに潜入後
毎日ソープ嬢として
男たちの性欲の捌け口になり
身体を張っているヒカル…
ヒカルのヒモとして
フラフラと遊び人を演じるサトル…
ふたりにも
内心焦りが生まれてきていた。

コンビニの冴えない中年店員に
扮している各務もそれは
同様だった…。

その日も
レジでの清算のときに
サトルは紙幣の下に『進展なし』
各務もレシートの下に『進展なし』の
メモを交換した。

その帰り道…
『よおサトピ!!』と
桃花園で四半世紀の時を過ごす
呼び込みのバイトで辛うじて
日銭を稼ぎ生きているという
通称、青ジジィがサトルに声をかけてきた。

『たしかお前の嫁…。 竜宮城で働いてンだよな? ちょっと競馬で大穴狙いしたらよぉ…ドンピシャ当たったんだぜ!! ……抱かせろ!!お前の嫁…』と
日頃抑圧してる
性欲が溢れんばかりの目をして
サトルに竜宮城へ案内させた…。

―――こんなこ汚いおっさんが、
ヒカルさんに………
ヒカルさん……、大丈夫かな?

サトルは竜宮城への道中
ヒカルのことを考えると
胸が痛くなった…。

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