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Face or Body

第26章 圧力の影…

『今回の事件は、清野拓人自身の合成麻薬マッハの過剰摂取による事故死。』

『重要参考人の奈々と博であると思われる麻宮勇一と真未は、DNA確認の結果…奈々と博とは別人と判明…。よって本件とは無関係であるとして… 釈放された…。』

眉間にシワを寄せた厳しい顔で
各務は
機動捜査係のメンバーに
そう伝えた。

『なんでですか!!なんでそうなるんですか?』
サトルが各務に食って掛かる…。

『圧力……………。ですね…。』
とサヤカ

ヒカルが奈々と博を確保する際に
本人たちがささやいた
自供をほのめかす自供だけでは
立件はできない…
しかし
DNAサンプルが別人と判定したのなら
それは
決定的な証拠となる。

――………圧力。

それも目に見えない
とてつもないチカラが
警察機構のさらに上から
覆い被さってきた――――……。

ヒカルは
唇をかんで天井を見上げた。

いったい私はなんのために
1週間以上にわたり
身体まで売りながら潜入してたの…?
悔しい…

急な脱力感と無力感に襲われた…

『こんな結末を聞くために、俺ら身体を張ってるんですか!!? ヒカルさんなんて結婚したばかりで…あんなことまでさせられて…!!』
サトルは涙ながらに
各務に訴える…。

機動捜査室に
思い空気が流れた…

ヒカルは
『サトピ。いいよ!!もうそこまで…。各務さんも辛いよ、そこまで部下に詰め寄られたら… …悔しいけどさ…。この世には、汚ならしくて強いそんなチカラをもってる存在はいるんだよ…。でも、私たちは私たちの正義を貫こうよ!! ねっそうでしょ?』

ヒカルはみんなを見回して
口を開いた。

『私たちは、目の前にある事件を1つずつ片付ける…。それ以上でもそれ以下でもない…。自分の正義を事件の区切りがつくまで続けるだけ…。』
サヤカがそう口を開き
沈黙を打ち破る…。

そして
『少なくても…。サトル君、【あんなことまでさせられて】というのはヒカルちゃんに失礼だよ。 ここの部署に配属されたときから… 女性警察官は覚悟してるよ。ねっ、ヒカルちゃん♪』
サヤカは
つとめて明るくヒカルに
言葉を投げた。

ヒカルは
根金の奥から瞳を輝かせ…
『ま、そういうことだよ!!サトピ、ありがとね… でもその気持ち、優しすぎて刑事には不向きだよ』
そうサトルに
諭すように囁いた。

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