テキストサイズ

Face or Body

第26章 圧力の影…

ただ
今回の事件でも
【オヤジ】なる人物の存在を感じた。

『この横浜から海浜一帯には、オヤジという通称の絶大な闇の権力者がいることは分かったよ。……いつか、必ず尻尾つかんで、表に引き釣りだしてやる。』
ヒカルは
機動捜査係のメンバーにそう告げた。


サヤカはヒカルを可愛いできのよい
後輩いや妹を眺める目で
瞳を輝かせた。

そして
―――サクラコ、あんなスゴい後輩と仕事してたね。ヒカルちゃんなら、私やあなたが心が折れちゃうようなことでも、乗り越えられるかもね―――
そうメールを送信した。

ほどなく
――――ヒカルは強いよ。男みたいなギスギスした脆さが同居してる強さでなく、どこまでもしなやかで折れない強さ…。可愛がってあげてね――――

サクラコも私と同じ思いを抱いてたんだ…。

サヤカは
サクラコからのメールをみて
微笑んだ…。


各務は
むなしさを噛み締めながら
横浜港に望む県警本部の
屋上にいた。
1本タバコに火をつけた…

―――タダオキ…、お前が見込んで育てた巻町はたいした奴だよ。お前、どんな教育したんだ? お互いに権力への階段から飛び降りて自分の正義を貫こうなんて、約束したが…。俺は上からの捜査停止を受け入れちまったよ…。悔しいよ…。こんなんじゃお前に怒られちゃうな。スマン…。――――

そう
天国の東三条忠興…
デーブに語りかけた。

すると背後から…

『なーに凹んでんだぁ?カガミン!! 過去はよぉ…変えれないんだよ!!分かってンだろ? この情けなさをよぉ…次に繋げばいいんだって!!お前も嬢ちゃんもまだ生きてんだからよぉ!!』
とヒカルが
デーブの真似をして
各務に話しかけた。

驚きと戸惑いの表情で振り向く各務…

『あっ…すみません…。なんか各務さんの背中からドヨーンとした哀愁が漂っていたから… ハイ!!掃除しました。 デーブさん、あ…東三条さんなら、絶対そういう気がしました!! 私も昔そんなことを言われたので。失礼しました―――――――――!!』
ヒカルは
警察官らしくない
敬礼をした。

『……………。フ…… フフフ……』
各務は苦笑いをたたえて
ヒカルを見つめた。

『ツラい仕事させてすまない。許してくれなんて言えないが…』
各務は深々と頭をさげた。
各務の実直な人柄がヒカルの胸をうった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ