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Face or Body

第36章 因果応報

柳大作は
まさか70代も中頃となり
再び巨大となった
港竜会を束ねる立場に
戻ろうとは思ってすらいなかった…。

50年も昔…
大作は古くさい体質の
任侠集団の港竜組に
嫌気がさしていた。

来る日も来る日も
ベイエリアの港湾労働者への
仕事の割り振りや
賭場の管理だけの毎日…。

麻薬、覚醒剤、拳銃密売、人身売買…
金になる仕事には
一切手を出さずにいる
組長の山縣とNo.2の村山のやり方には
ついていけなかった…。

クーデターを起こした。
上海マフィアと手を結んだ
山縣が組としてご法度にしていた
薬物に手をだし
金にものを言わせて
組の構成員からの支持をかためた。

港竜会を立ち上げたときに
あの
山縣の息子や
村山の息子を始末しておけば…

大作は最近になり
息子の大海が検挙され
同士だった長谷場の息子も検挙され
この逆風の根本に
かつて自分が処分しなかった
山縣や村山の息子が
多かれ少なかれ
何らかの形で関わっているのではないかと
そう考えるようになっていた…。

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