テキストサイズ

Face or Body

第38章 女たちの戦い前夜

橘ハルカは潜入前夜…

まさか自分が
潜入捜査員になり
身体を売り物にして
事件の深層に入り込む任務を
託されようとは
まだ信じられなかった…。

怖い…
なんで私が
好きでもない相手と…?

そう考えると
今にも逃げ出したくなった…。

ハルカはまだ
処女であった。
キスまでは経験があったが
大学を卒業するまでは
陸上競技一辺倒だったし
彼氏すら作る時間がなかった…。

―――ブルブルッ!!ブッブッー!!

メールの着信音がした。
ハルカに川崎西署の同僚で
今回の特命チームにも一緒に配属された
同期の稲葉アツシからだった…

『明日から頑張れよ!! お前、まさかバージン?』

――――――…………!!!!
ハルカは
顔から火が出るくらいの
恥ずかしさに襲われた…。

メールを無視した。

するとさらに
アツシからのメールが着信。

『俺には、まだなにも始まっていないけど… 俺の全部で守ってやりたい女がいる。 俺は今…きっと不安と孤独で泣きそうな顔しているそんな俺の大切な女性を抱き締めたい!!』

そうメールに
長々と思いが綴られていた。

――………相思相愛?

ハルカはアツシにメールを返信した。

―――………プルップルッ!!

ハルカの下宿の窓の下から
なぜか派手なメール着信音。

そこには
アツシが立っていた。

『春だけど、まだ夜は寒いよ!! 一人暮らしの女の部屋のしたにいるヘンタイ警官!!』
ハルカは笑いながら
窓を開けて叫んだ…
そして

『今夜… 明日の朝まで一緒にいたいよ』
と素直な気持ちを
アツシに伝えた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ