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Face or Body

第40章 サヤカとサクラコ…

海浜港には
古いレンガ造りの倉庫が
建ち並ぶ一角がある。

倉庫としては
かなりの老朽化をしているため
近年では
一部に耐震工事を加えて
オフィスとして使用する会社もある。

その一角に
横浜マリンプロダクションがあった。
港竜会のダミー会社である。
表向きは
イベントコンパニオン派遣会社であるが
実態は
海外の富裕層向けの
娼婦派遣を仕事としていた。

その事務所の奥に
四条を頭とする
海外向け性処理どれいとして
海外に売り飛ばされる女性たちを
数日間滞在させる施設があった…。

まずここに
本橋がサクラコを連れて戻ってきた。
サクラコは
本橋に会うために向かった格好のままで
ここに連れてこられた。

『サクラコ…。明日までこの部屋でみんなと仲良くしておくんだ。』
と本橋はサクラコを
先にその部屋に居た2人の女性たちと
同じ部屋に入れられて
外から鍵をかけられた。

『………あんたも… 借金のかたにされたの?』
『ねえ… もう私ら海外に売り飛ばされちゃうんだよ…』

そんな心細げな表情で
彼女たちは
サクラコに話しかけた。

サクラコは
彼女たちとの会話から
港竜会の本橋と四条が
川崎、横浜から海浜のベイエリアで働く
風俗嬢が
時に甘い言葉で
時に借金返済の肩代わりに
拉致監禁されたあと
商品として海外に売り払われていく図式を
頭にインプットした。

と同時に
その会話を持参した
盗聴器に乗せて
タモツとハルカのもとに流した…。

―――
『……了解!! 捜査員は直ちに海浜レンガ倉庫へ向かえ!!』

各務はタモツとハルカ経由で入手した
奴隷売買の現場への
包囲を指示した。

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