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ルミが若い衆のゴローと
身体を重ねている時

倉庫の2階のフロアでは
サクラコが
輸出される予定の奴隷たちに
密かに呼び掛けを行っていた…

奴隷たちの部屋をひと部屋ずつまわり
説得をしていたのだ…

『もしも…　不本意にここにつれてこられた人いますか？　明日になれば、私たちは誰にも知られずに海外に売られます…。』

『だから…　あなたたちのなかで、にっちもさっきも行かない今の生活を捨てて、外国に逃れたい!!って人は…　…その判断を任せます…。ただ、やっぱり売り飛ばされたくない!!　そう思う人は…私に付いてきて!!　現実から逃げても、さらに苦しい現実が待つだけだよ…』

と
静かに
しかし強く呼び掛けた。

サクラコとルミはこの状況を作るため
ルミはいち早く
四条たちの触手に身を委ねて
ここに潜入し
ここにいる奴隷たちの半分は
心のどこかに
本当にこれでよかったのか？
このまま
家族や友人を捨て
消息を絶ってよかったのか？
という葛藤を持っていることを察知した。
サクラコは
ルミが情報を入手した頃合いを見て
海外へ渡ることを躊躇している奴隷を
救出するために
四条らの触手に身を委ねて
黒人たちとまで肉体関係を持ち
港竜会の警戒心を取り払い
ここに潜入したのだ…。

『決心するなら今なの…　そろそろ私の仲間がこの近くまで来てるはず…　…あのルミって子が、港竜会の若い衆さんたちの注意を引き付けてる間に、ここを出ましょう!!』

『それと私は、それでも海を越えて海外に逃れたいって思うみんなを否定しないよ…。　それで後悔をしないことを祈るだけ…　私は神様じゃないからね…　…ただ…命だけは大切にしてください。』

とサクラコは
やはり奴隷たちに
静かに
しかし強く訴えた…

ほどなく半数の奴隷たちが
サクラコとともに
この倉庫のアジトからの脱出に
手をあげた…

『出ていくひとの安全も、残る人の安全も…　私が守るからね』
とサクラコは優しい
頼れる瞳をみんなに投げ掛けた。