テキストサイズ

Face or Body

第48章 復讐の胎動…

『お前は本当に後悔しないか?』

『オヤジさん、大丈夫だよ』

『お前は本当に【自分が自分でなくなること】に後悔しないか? もう戻れないよ。』

『オヤジさん。ありがとうございます。』

カケルは
オヤジこと山縣に
別れの挨拶にやって来ていた。

『あの時は、すまなかった…。私はお前より罪深い闇世界の息子のほうを助けたよ…。』

『あれは究極の選択だったと思います。おかげで俺は、母を絶望させ自殺させてしまったけど、おかげのおかげて、俺は自分の奥の本当の自分になろうと決意できたし、そのなかであの青山ヒカル… …いや巻町ヒカルをも崩壊させる復讐を果たせるようになったんですから…  今さらですが、オヤジさんありがとうございました。』
そうカケルは
晴れ晴れとした笑顔で
山縣から手渡された
偽造パスポートをバッグに入れて
ベイエリアの町をあとにした。

カケルは飛行機の
機上のひとになった…。

『今度帰るとき…。もう俺は別の私になってるぜ!!』
カケルは機内の窓から
雲に包まれ見えない日本に
しばしのサヨナラを
心のなかで呟いた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ