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Face or Body

第48章 復讐の胎動…

川島交番のある
海浜市川島町。
この川島町管内では
ここ数日
老人を狙った引ったくり事件が
多発していた。

川島交番に勤務する
アキラは
後輩の畠山と巡回パトロールを
強化していた……。


『ただいま~』
アキラが帰宅すると
珍しく先に帰宅していたヒカルが
『おかえり~』と
これまた珍しく
エプロン姿でアキラを迎えた。

『今夜は鰻を買ってきたよ~!!それでね♪それでね~♪ ひと手間かけてさぁ…今夜は鰻三昧~!!』
とヒカルは
満面の笑みで
アキラを玄関からリビングに導いた。

テーブルの上には
鰻丼…。
う巻き…。
肝吸い…。
さらに鰻を使った何品かの創作料理が
揃っていた。

『さあ!!アキラっ!!食べて食べてっ♪ 明日に向けてギンギンになっちゃって!!』
とヒカルは
満面の笑みで囁いた。

あまりにストレートすぎるヒカルに
アキラは苦笑いするとともに
そのヒカルの
まっすぐさがたまらなく愛しく思えた。


『ごめんねアキラ…』
夕飯を食べながらヒカルは
照れくさそうにアキラに話しかけた。
そして
『私さ… どちらかといえば、潜入捜査するようになる前はさ… …生理順調だったんだよね。 だから潜入からバックアップにまわり、ピル飲まなくなってから、こんなに生理不順な身体になってるなんて思わなくてさ… だから、やっと不妊治療してさ、明日赤ちゃんが作りやすい身体になれるんだって思ったら… …なんか感無量でさぁ~ こんな鰻三昧な夕飯まで作っちゃって… 逆にアキラにプレッシャーだったよね…?』
と続けて思いを伝えた。

アキラはヒカルのそんな健気な気持ちを
全部受け止めてから
こう囁いた…。

『おかげでビンビンになりそう…。ほら…』

ヒカルの隣に座り
ヒカルの手を股間に導いた。

『えっ…!? 今夜はダメだよっ。明日がタイミングなんだから』
ヒカルはそう言って
アキラの頬にチュウをした。

――……
この夕飯がヒカルとアキラの
最後の夕飯になるとは
2人は夢にも思ってはいなかった。

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