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Face or Body

第5章 オヤジ(年齢未詳)

コウスケに救いの手をさしのべようと
行動を起こした私のもとに


2つめの救いを求める声が届いた

その声の持ち主は
私の篤志家としての
表世界の顔のなかで
知り合った
親不孝なバカ息子からのものだった。

『あ……オヤジさん…。俺さ、とんでもないことに巻き込まれたよ!! どうしよう就職どうしよう…』
今にも
泣きそうな声。

この男は
カケルという
母親に苦労ばかりかけているバカ野郎だ。
ただ20代となり
人並みに母親をいたわる心が
芽生えてきて
私の表世界の顔である
篤志家としての私に
人生の再設計の相談に訪れてきたのだ。

私はカケルに
小さな町工場での
就職を斡旋してあげた。
今日はそんなカケルの
初出勤の日のはずだったが…。

カケルは出勤途上
痴漢に間違われてしまったようだ…。

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