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サクラコは
握りしめた拳の中で
爪が手のひらに突き刺さる痛みを
ヒカルの痛みに感じていた。

その痛みは
サクラコの人生で初めて
明確な殺意へと変換されつつあった…。

涙が枯れるまで流れ出た瞳からは
もう
涙すら溢れない…
充血した瞳でサクラコは
天井を睨み付けた。

『犯人たちをみんな殺す!!』
そう誓った…。

と…
そのとき
後ろからサクラコの肩に
手をおいた人物がいた。

『………村山さん。』
サクラコは村山を振り返り見つめた。

村山の顔は
青ざめていた。
しかし
サクラコにこう言った…。

『アオヤマは、きっと戻ってくる!!あいつの正義はしなやかで強い。俺はそう信じてる。決して桜子さん…　…感情だけに支配されたらだめだ!!　結局、汚れた手では悪は倒せないよ…。俺はアオヤマにそれを逆に教えられたさ…。桜子さん、あんたは汚れた手の正義には染まっちゃならない。　殺意は俺が引き受けるから…。』
村山は
充血した瞳で
サクラコを見つめた。