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Face or Body

第52章 挑発!!…

事件発生4日目の朝…

自宅待機のアキラのもとに
宅配便でDVDが届いたと
アキラとともにいる
海浜署のシンタロウから
連絡が捜査本部に届いた。

各務は
『決して、巻町顕巡査部長には、開封させるな!!』
とシンタロウに指示を出したが
ひと足遅かった…。

アキラのもとには
あの甲高い声の男に
拳で殴られ
鼻血を流しながら
首を絞められて膣内射精を受けて
方針状態で涙を流す
ボロボロのヒカルの姿を記録した
『巡査部長は肉玩具~妊娠確定③』が
届けられていたのだ…。

シンタロウの前で
再生されていたDVDを見たアキラは
怒りが頂点に達したとき
人間は実は冷静になるのでは?
と思わせるほど
落ち着いていた。

自宅に駆けつけた
各務たちに
『このDVDは③になっています。①と②はあるんですか?』
『もし①と②を本部が持っているなら見せてください。これは警察官としてなんかじゃなく、マキマチヒカルの家族としての質問です。』
『妻が味わった肉体的苦痛の現実を夫として、理解してあげないとヒカルが可哀想だ!!』
と立て続けに
気持ちをぶつけた

しかし…

各務は
『今はまだ①と②は捜査上の理由からお見せできません。それと③も回収させていただきます』
と毅然と答えた。

―――と、その瞬間!!

アキラは各務の胸ぐらをつかみ
『いったいなにしてンだよ!!早くヒカル助けろよ!! ヒカルはテメーのために、今までも身体を売って命がけで働いてたろうが!! テメー何やってンだよ!!』

今まで溜め込んでいた
怒りと屈辱と悲しみの
すべての感情を爆発させるようにぶつけた。

各務は
アキラをまっすぐに見つめて
こう答えた。
『我慢してください。私の一生のお願いです!!必ず私の命に変えても奥さまを助け出します。』

アキラは各務の目を見つめて
『取り乱しました。すみません。ヒカルは自分の正義であの工場で犯人を追い詰めた…。俺やみなさんの援軍を待てばいいものを…。 …迷惑をかけているのはヒカルです。でも彼女の夫として、生きて帰ってきてほしい…』
声を絞り出すように
そう答えた…。

ヒカルのいない巻町家のリビングに
思い沈黙が漂った。

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