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Face or Body

第8章 確保へ…

(こちら海浜捜4 今、現着完了…)

ヒカルは
無線で現場到着を報告した。

(了解… 本部からの指示を受けるよう!!)

(了解!!)

ヒカルは返答して
デーブとともに
クルマを降りた…。
事件をききつけて
多くの野次馬…
おそらくはマスコミ関係者であろう人たちも
廃工場の正面に集まっていた。
入り口は
シャッターが降りていた。

この廃工場には
施錠できない裏口が存在していることを
ヒカルは
交番勤務時代の経験から知っていた。

『デーブさん… ちょっと… 』
とヒカルは
野次馬でごった返す
現場の正面玄関から離れて
デーブを工場の裏へと案内しようとした。


その時…
ヒカルの背後で
『ママ――――… ヒック…ヒック… 
      マ―――マ―――……』
と号泣する
2歳くらいの
可愛いピンクのクマのヌイグルミを抱いた
女の子に気づいた。

『ねえ… ママ!!ママを早く
     助けてあげて…  
      ア―――――ン ママぁ……!!』
女の子の悲痛な泣き声が
現場に響いていた…。

許せないよ!!
薬物…
私の兄の命を奪い…
私の大切なアキラに重症を負わせ…
今も
かわいい娘さんをつれた
何の罪もない主婦が
危険にさらされてる…。

ヒカルのなかで
また再び暴走ぎみな
しかし純粋な正義が湧き上がり
ヒカルを支配し始めていた。

なにがなんでも
石渡を確保する!!
あの可愛い少女にとって
かけがえない優しいママを助ける!!

ヒカルは本部からの指示を
待てずに
工場の裏口へと足早に向かった。

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