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(こちら海浜捜1　
　　3名到着…追って1名現直で合流予定…)

(了解…　総員4名揃えば…　
　　予定通り　捜索を開始せよ)

(了解…)

ついさっき
ヒカルを呼び出した
デーブが操作車両の無線で
本部とやりとりをかわす。

クルマの後部座席には
五代こと
シンタロウと
名瀬こと
タモツが緊張の面持ちで
クルマから道路を隔てて向こう側にある
ビルを眺めている。

港竜会本部である。

従来
この一帯はかつて
港竜組と呼ばれる任侠集団が代々
取り仕切ってしていた。

昨今の暴力団とは違い
強きをくじき弱気をたすける
昔気質の任侠集団…
それが港竜組だった。

明治時代から横浜の外港として
発展した海浜市…
明治以来
幾度かの戦争を経て
変わることなく
気のあらい港湾労働者たちを束ねて
町の治安を守っていたのも
警察ではなく
事実上は港竜組だった…。

時代は高度成長期
その港竜組に異変が起きた…
クーデターだった…。
当時の組長は代々の任侠主義を貫き
決して薬物によるシノギには
手を出さなかったが
ある若頭を中心に組長は抹殺され…
今の
港竜会が発足した。

薬物…
拳銃密輸…
臓器売買…
さらにサイバー犯罪にも
手を伸ばし

海浜の町は
牧歌的だった港竜組の時代が終わり
冷血な港竜会の支配する町に
変貌し今に至っている。