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Face or Body

第11章 3年後…ヒカルの場合

先日発生した

日雇い労働者どうしの傷害事件は

大量の血痕あとが
現場に残存していたこと以外
捜査は難航し
いたずらに時が経過していた。

しかし今日
自主した男からの自供で
彼が
『殴り殺したかもしれない男』が
港竜会の男で
通称マサと呼ばれていることが
明らかになった。

そして
捜査の結果
チビと呼ばれる男は
港竜会の薬物密売の中心で
ベイエリアの土木作業員に潜り込み
合成麻薬【マッハ】を
作業員に密売する担当している男だと
判明した。

この件を受けて
デーブは
シンタロウとタモツをともない
港竜会本部に立ち入り調査を実行し
マサなる男の所在確認
および
【マッハ】密売の
決定的証拠を発見しようとしていた。

ヒカルを待つ
デーブのもとに
およそ15名ほどの海浜署薬物取締課の
捜査員も合流を開始した。

緊張の走るその現場の
デーブが乗り込む
捜査車両の後ろに
クルマがとまり
ミニスカートの裾をヒラヒラと翻し
まるでその場の雰囲気には
似合わない格好で
ヒカルが車内から降りて
捜査車両の助手席に座った。

『……現着しました。』
とヒカル

『……わりいな休暇中に嬢ちゃん』
とデーブ

『……いかにも…【今、私…アキちゃんと、すごいことしてきちゃった~♪】みてえな感じか…? 首筋キスマークが2つもついてるぜ!!』
とデーブは
前にそびえる港竜会本部を睨めながら
呟く…

『えっ…?』
ヒカルは首筋に手をやる

『やった!!引っ掛かった~』
デーブは
誇らしげに呟いた。

デーブはいつも緊張の走る場面で
こういう冗談を言う。

『イヤン!!もう気持ちいいことたくさんされちゃって…私…まだ濡れ濡れなんですよぉ~って…デーブさんじゃなかったら… ぶっ殺してるとこです!!…まったく』
とヒカル

このコンビの独特のリズムに
後部座席の
タモツの必要以上の緊張が和らいだ…。

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