テキストサイズ

天使と悪魔

第9章 息吹が輝く舜

・玉森side

山「兄貴が、やっちゃっていいって言うからしちゃうよ」

玉「なっ、やめろ」

山「いいじゃん、天使より悪魔の方がすっごく気持ちいいんだから」

玉「そういう問題じゃない触るな」

山「煩いなぁ獲物は黙ってやられてればいいんだよ」

玉「うわああっ」



その手が、胸へ触れ全身に悪寒が走り抜けた。



玉「千賀、助けて千賀」



けれど、こいつは無表情で見つめたまま。



玉「どうしたんだよ」



どんなに叫んでも、なんの反応も示さない。

このままじゃやられちゃう

そう思ったとき、涙が頬をつたって落ちる。

俊哉の笑顔が目の前に浮かび。



玉「目を覚まして頼むから」



俺は何度も叫んだんた、とその時。



千「タ…マ」

山「えっ、なんで?どうして術が」



そうか、やっぱり操られていたんだな。



玉「千賀、俺だよ分かる」

千「ハッ、タマ!?なんで縛られてるわけ」

玉「はっ?」



お前がやったんだろ。



千「亮太、なにをしているタマを放せ」

山「お前も、俺に逆らうんだ」

千「えっ」

山「俺のこと嫌うの」

千「なに言っ…」



山本亮太、その悲しいまでの生い立ち。

悪魔でありながら白い羽根を持ったがゆえの―






ストーリーメニュー

TOPTOPへ