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天使と悪魔

第10章 想い・その心

・五関side

亮太は言う―



山「千賀と話てると楽しくて嫌なことも忘れられた、ずっと一緒にいたくなるくらいに」

五「そう」

山「兄貴のことを気にせず仲良くできたらって何度も思ったよ」



辛かっただろ?



五「なぁ良かったら話してくれない」

山「何を」

五「お前と兄貴との関係」

山「‥‥っ」

五「嫌なら無理にとはいわないけど」



亮太が言う東の兄貴とは、俺らが思っていた通り。

こいつと同じ魔族とのハーフで。

その力は、傍にいた亮太でさえ計り知れない。

あぁ知っている俺も横尾、塚ちゃんや郁人・藤ヶ谷だって。

あいつは、凄い力を持っているんだ。

15のとき仲間に陵辱された亮太は受けた屈辱に悲観し死のうとした。

それを止めたのが兄貴。



「死ぬくらいなら、生きて見返せ」



それから―



山「兄貴は本当は凄く優しいんだ、けれど」



ある日、とつぜん変わってしまったという。



五「どうして」

山「分からない俺、もとの優しい兄貴に戻って欲しいその為なら何だってする」

五「大好きなんだね」

山「兄貴が一緒にいてくれたから俺は生きて来られたようなもんだし」

五「俺らで出来ることなら協力するよ」

山「本当」

五「言ったろ仲間だって」

山「有り難う、えっとー」

五「ごっちでいい」

山「ごっち ニコッ」



ふっ、こいつ可愛い奴だな

千賀が落とされちゃうのも分かる気がする。



五「とにかく今日はゆっくり休め」

山「うん」



そして、あいつも。

しかし亮太は、決して西の兄貴については口を割らなかったんだ。

これ以上は、兄貴を裏切れないと。



五「1つだけ教えて北山とハッシーはその西の兄貴の所にいるの」



そう聞くとコクンと小さく頷く。



山「千賀の覚えてない記憶は俺が封印してる」



でも思い出させるわけにはいかないんだ。

苦悩に顔を歪める亮太―

その姿を見て待つしかないそう皆に伝えた。

あいつが、自分から話してくれるのを。

ただ信じて待つ、それしかないと。

けど、心の傷は1人では癒せない。

仲間がいてダチがいて大切な人がいてくれるからこそ

亮太お前にはもっとそんな沢山の事を知って欲しい。

そしたら、みんな。

お前のこと受け入れてくれるはずだから。





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