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天使と悪魔

第15章 策略と駆け引き

・五関side

ったく横尾のやつ…

―その日、狩りから戻って来ると。



河「なんで来たんだよ」

戸「‥‥っ」

河「会いたくねって言ったろ」

戸「河合」

河「もう関わりたくないんだ」



そんな声が家の中から聞こえてさ。



戸「どうして俺のこと嫌いになってしまったのか?」

河「あぁ所詮お前は天使、勝手に宏光と太輔を呼びやがって」

戸「あっ、あれは」

河「帰れ二度と俺に会いに来るんじゃない」

戸「くっ」



ダッ―



五「トッツー」

戸「ううっ ヒクッ」



ガチャ、バタン!

あのバカ、なにやってるんだよ。



五「お前な惚れているやつ泣かせてどうする」

河「五関、クッ」

五「今すぐ追いかけろ」

河「いいんだこれで」

五「いいわけない」

河「あいつにとってはこの方がいいんだってば」

五「郁人」



そう言って唇を噛みしめる

この強情ぱり、クッ!

自分を責める気持ち分からなくはないが。

だからといって極端すぎる

あれじゃかえって傷つけるだけさ。

どうしてそれが分からないんだよ。



塚「トッツー、また来たんだ」

五「塚ちゃん」

塚「泣いてたね」

五「あんな酷い言い方をされれば」

塚「亮太がさ謝りに行ったらしいんだけど」

五「誰のところへ?」

塚「トッツー、でもそれどころじゃないみたいだったから言えなかったって」

五「そっ」



だが郁人の心はトッツーが亮太を許しても変わらないと思う。

こいつは、自分を責め続けるだろ。

俺さえ好きにならなければ良かったと。

が、そんな事をしていたって大切な人を護ってることにはならないんだ。

それに早く気づけって。

そう思い俺は見つめていた





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