テキストサイズ

天使と悪魔

第18章 新しき命

・二階堂side

千賀に、子供が出来てから5ヶ月が経つ。



二「お腹だいぶ大きくなったな、フッ」

千「そろそろだねきっと」



だけど不思議なんだけど、あれほど不安げだった表情が。

あの日いらい、見られなくなり逆に。



千「なぁ、ニカ」

二「んっ?」

千「俺この子が生まれたら真っ先に宏光に会いに行きたい ニコッ」

二「えっ」



そんなことを言い出し。

もしかしてミツ、俺たちのこと見ているのかな?

千賀が光りの中で聞いたというあの言葉は本当に。

“心配しなくても、その子は天使だ”

ふと、そう思ったそのとき



千「にっ、ニカ!」

二「ハッ」



隣にいたこいつの顔が見るみる苦痛の表情へと変わり



千「いっ、痛てぇー」

二「健永!」



大変だ陣痛が始まったんだ



二「取り合えず、ベットへ横になれ」

千「っ…ハァハァハァ」

二「今みんなを呼ぶから」



俺達は誰ひとりとして出産に立ち会った者がいない。

ピューン!

だからそのときが来たら、発煙筒を打ち上げ知らせることにしていた。



千「ニカ、ニカ、傍にいて頼む、ハァハァハァ」

二「大丈夫だ心配しなくても俺はここにいる」

千「いっ、痛い、痛いよ、くっ、裂けちゃいそうだ」

二「頑張れ健永!」



しかし、なんなんだ!?これは



千「うっ、あっあぁーっ」



その身体には休むことなく激痛が襲っているみたいで

千賀は叫びまくっていてさ

ガチャ、バタン!



横「ニカ!」

薮「二階堂!」



―と、そこへ真っ先に駆けつけてくれたのが。

わったーと薮の2人。



横「どんな様子?」

ニカ「わったー、どうしてこんなに苦しんでいるんだよ、これじゃあ体力がもたない」

千「うっ、ああ、あぁー」

薮「なんで?ふつう陣痛って何分間かの間隔で起きるものなんじゃないの」

二「さっきから、ぶっ続けさ間なんか開いてない」

千「ニカ、ニカあぁー痛い痛いよぉ、ハァハァハァ」

二「健永!」



俺は、堪らなくなってその手を握り締める。





ストーリーメニュー

TOPTOPへ