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天使と悪魔

第22章 幻影を求めて

・河合side

だが、こうして平和な世が来て。

何よりもそれを願っていたあいつが今はここにいない

その寂しさは日を追うごとに広がり心に影を落としてる。

そんな事を考えると堪らない気持ちになった。

と、そのとき!



桐山「郁人!」

河「うわっち!?なんだ驚くじゃん」



とつぜん照史が耳元で叫び



桐山「あそこに誰かおる」



その指さした方向を見ると白い羽根が、目の中へ飛び込んで来て。

ってことは天使?



河「どこかの部落のやつが散歩でもしてるんじゃない」



でも俺は気にも留めず。

太輔がダーク族の長に返り咲き悪魔が天使をむやみに襲うことが禁止された。



桐山「そやけどあの後ろ姿どっかで見た気するねん」



そのため天使も自由に外へ出歩けるようになり。

だから不思議じゃない。

―が、そいつが振り返った次の瞬間。

嘘だろ…なわけ!?

そのまま固まってしまい。



桐山「なにしとるん、早よ確かめんと」



照史の声でハッと我に返り急いでそこへ向かいはしたものの。



桐山「おらへんな」

河「どこへ行きやがった」



もう、そこにはいなくてよ

だけど見間違えじゃない、確かに2人して見たんだ。



河「俺、帰る」

桐山「そやな、一応知らせといたほうがええやろ」



俺達は急ぎ部落へと戻ったんだ。

もしあれが本当にそうならそんな微かな望みを胸に。





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