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天使と悪魔

第23章 誓いの口づけ

・藤ヶ谷side

今日も、朝から健永が来て



千「はいガヤさんの番」



なんで俺が、オセロなんかやらなきゃならないんだよ



千「ほら早く」



つうか、おまえ自分の子供ほっぽらかしてていいの?



千「ダメか」



あの日、ひろが天界へ行ってしまった日。

俺の人生は全てが終わってしまったかのように真っ暗になってしまい。



薮「そろそろ帰った方が」

千「まだ頑張る」



それは希望も未来もなんにもないって感じで。



薮「でも母乳が」

千「飲ませる分は、絞って置いてきた」

薮「そうじゃなく染み出てるよ」



まるで生きる意欲さえ無くしてしまったみたいでさ。



薮「千賀!」



情けないよ…

あいつにはあんな事を言っておきながら、自分の方がダメになっちゃうだなんて

これじゃ、きっと叱られてしまう。

が、そんな事を考えながらふと前を見ると。

健永が、苦しそうな表情をしている事に気づき。



千「胸、痛い、胸」

薮「だから言ったじゃん」



どうした?



薮「二階堂を呼んで来る」

千「ハァハァ、だっ、てさ」



健…永‥



千「ガヤさん大好きだからハァハァ、負けて欲しくなかったんだ、クッ」



えっ―



千「神さまなんか、宏光、取り戻すくらい、クッ」



おまえ…



千「強さを見せてよ、ガヤさん、ハァハァ」

藤「‥‥っ」



ガチャ、バタン!



二「健永、ギュッ」

千「ニ…カ‥にっ…俺じゃ出来ないの ヒック」

二「そんな事ない」

千「宏光…じゃ‥ない…から」

二「ちゃんと伝わってる、健永の気持ち」

千「ニカあぁーっ」



ごめん、クッ!

俺はここ3ヶ月ばかりの事を思い出していた。

代わる代わる、やって来る仲間たち。

タマ、みや、五関、塚ちゃん健永、ニカ、トッツー、ハッシー郁人・亮太、屋良まで。

そして、わたと薮。

みんな俺を元気づけようといろんな事をしてくれたっけ。

なのに…

独りでいたいんだ放っといてくれ。



千「屋良にぃが、ゲームをしたらどうかってアドバイスしてくれたんだ」



はっ?



千「何事も、向き合うのが大事って屋良にぃがそれを言う?キャハハハ」」



だからオセロって笑っちゃうわ、クスッ!

まっ、こいつらしいけど。





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