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天使と悪魔

第6章 奇跡を呼ぶ想い

・戸塚side

ドアの隙間、そこから見える2人は本当に幸せそうで

北山を後ろから包み込むように抱きしめている藤ヶ谷

その腕の中で恥ずかしそうに歯に噛んでいる北山。

あんなあいつ、見たことがない。

時折そんな北山の顔を藤ヶ谷が自分の方へ向け。

2人は、何度もキスを交わしている。

俺達はあのとき北山が元に戻ったのが分かると。

みんなで、すぐさま部屋を出たんだ。

それを言い出したのは。



大倉「行こうか2人だけにしてやろ、フッ」



敗北宣言とも言える言葉だったけれど。

それは、いつもの優しくて思いやりのある大倉に戻った証拠なんだよな。

俺はそれも嬉しくて、けれど暫くし。



河「あぁーやっぱ気になる我慢できね」

戸「えっ」



そう言って駆けだした河合の後ろを。



五「待てよ郁人」

戸「ちょ、ええっ!?」



五関って悪魔が追いかけ。

だから俺も慌てて後に続いたら。



戸「ねっ、覗きは不味いって」

河「いいじゃん俺ら心から2人の幸せを願っているんだから」

戸「だからってさ」

五「ふーん、あいつ優しい抱きしめ方をするんだな」

戸「なっ、ハァ」

五「いや、もっと強引かと思っていたから」

橋「いいな俺もあんなふうにトッツーを抱きしめたい」

戸「ええっ?俺」

河「うええっ、お前いつの間に!?」

五「未成年には、まだ早いだろ」

橋「どうして?ねぇーなんでだよ教えて」

河「なっ、五関お前が説明してやれ」

五「郁人がしろって」

河「はあっ?無理むり」



そうじゃなく覗きは…

けど寄り添っている2人は本当に幸せそうで凄く綺麗だったから。

俺も、つい見ちゃったんだけどさ。

その空間は優しい愛に満ちていて見ている俺らも温かな気持ちになる。

きっと、俺たち天使と悪魔はこれから先。

明るい未来が、待っているはずと。

そう思わせてくれるような2人の姿に、自然と笑みがこぼれ。





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