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泣かぬ鼠が身を焦がす

第10章 3日飼えば恩を忘れず


そんな適当な予約の仕方あるかと思ったけど、今日の映画館での感じ見てたら


まぁ、嘘じゃないんだろうな


「時間かかる?」
「映画館よりはな。眠いんだろう。寝てろ」


き、気づかれてたのか
恥ずかしい


「寝ます……」
「寒くないか?」
「大丈夫」


椅子も倒せって言われて、大人しく言われた通り椅子も倒して本格的に寝る体勢になる


「……」
「……」


気使われてるのか、杉田さんはそれから喋らなくなって
俺も少しは疲れてたらしくてすぐに眠った


目が覚めると、周りはもうすっかり暗くなっている


「起きたか」
「え、あ…………!?」


うわ、何
顔近い!!


杉田さんを押しのけてガバッと起きると、車は既にどこかの駐車場にとめられている


「もう着いてんじゃん!起こしてよ!!」
「今着いたんだよ。起こそうと思ったら起きたんだ」


絶対そんなことない!!


と思ったけど、きっと上手いこと言い逃れられるから黙っておこう


つか、人の寝顔見るなよ……
変な顔してなかったかな


「ほら、行くぞ」
「うん」


車から降りてお店の中に入る

中はどこかの城かってぐらい煌びやかな作りをしていた

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