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泣かぬ鼠が身を焦がす

第2章 チーズの夢


伊藤さんはそのまま1度礼をすると部屋を出て行ってしまった

テレビも何もない部屋にぽつんと残された俺


もしかしてこのまま放置?
1人で?

超暇なんだけど……

何時に帰ってくるのか聞いておけば良かったなぁ

起きたばっかりで全然眠くないし、つまんない


起こした身体を再び倒してベッドの上でごろごろしていると、部屋の扉が開いた


「失礼します……?」
「!」
「あっ、ご就寝中でしたか。もう起きられたと伺っておりましたので……」
「いやいや、起きてます!起きてます!」


恐る恐る入ってきたのは、肩口までのふわふわした髪にゆるふわニットというラフな可愛い感じの女の人だった


かわいい……
俺ゲイじゃなかったらこういう人好きになってたかも
お人形さんみたいだ


「良かったぁ」と胸に手を当ててほっと息をついた女の人は


「私、秘書課の第4秘書を務めています大石茜と申します」


と名乗った


「オオイシアカネ、さん……」
「はい。杉田社長よりこちらのお食事のお世話を任されました」


食事?
朝ごはん持ってきてくれたのかな


「ありがとーございます」
「はいっ。それでは、ご用意させて頂きますね」


笑顔までかわいー
って

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