
泣かぬ鼠が身を焦がす
第2章 チーズの夢
「ちょっ、待って待って待って!?」
「は、い……?」
「そんな重そうなの1人じゃ無理でしょ!?何考えてんの!?」
「いえ……だい、じょぶ……です……」
机もないのに食事かーとか思っていたら、大石さんは重っそうな机を引っ張り出してきた
こんな小さい女の人に運ばせる重さじゃねー……
「ほら、いいから。これは俺がやるよ」
「うぅ、すみません……」
俺だって男にしては小さい方だけど流石に女の人よりは力あるし、力なくてもこんなの運ばせて見てるだけなんで無理
俺が代わってあげて机を運ぶと、後ろからちょこちょこ椅子を持ってついてくる大石さん
ひよこみたい
「ここでいいの?」
「あっ、えと……配置なんかに関しはお好きになさって下さい」
「んじゃ、ここで」
「はい」
天蓋付きのベッド以外これっていう家具がなかったから、机と椅子だけでもあると違うなぁ
「では、お食事を運んできますねっ」
「お、願いします……?」
張り切って扉の向こうへ消えていった大石さんは、大きめのお盆にたくさんの料理を並べて持ってきた
「へぇ、随分庶民的な料理だね」
白いご飯に焼いた魚
お味噌汁に、何かの漬物
