
泣かぬ鼠が身を焦がす
第13章 正直の心より
「まだ……っ」
「?」
言葉が止まった違和感に見上げると、杉田さんは複雑そうな顔をしている
まだ……?
あぁ、そうか
『まだ怖いのか?』
『まだ痛いのか?』
『まだ眠れそうにないか?』
俺にどの言葉をかけたらいいかわからないんだ
そう理解した途端俺の目にはいっぱいに涙が浮かんでくる
俺が悪いのに杉田さんに気遣わせてる罪悪感とか
何も言ってない俺の馬鹿さとか
そういうの全部なしで
とりあえず
杉田さんにもう一回、好きって言いたくなった
「っと……ノラ?」
「……」
俺は杉田さんの腕を引っ張ってベッドまで連れて行くと、ベッドに向かって放り投げた
どさ、と音がして杉田さんがベッドに倒れると俺は杉田さんの上にダイブする
「!」
俺の行動に杉田さんはびっくりした顔
「俺……っ、杉田さんのこと好き!」
「え?」
杉田さんの胸元に顔を埋めながらくぐもった声で叫んだ
「嘘じゃなくて本当に、杉田さんのこと好きだよ!好き!好き好き!!好き!!!」
そう言うと、杉田さんは黙ってしまった
けど
「!」
暫くしたら俺の上に杉田さんの大きい手が乗せられて、俺は勢いよく顔を上げた
