テキストサイズ

泣かぬ鼠が身を焦がす

第13章 正直の心より


俺がまたあんな風になったこと気にしてる?
杉田さん大人だから、我慢してくれてる?

さっきノラが俺のことどう思っていようとって言ったのは、俺の言葉信じてもらえてなかったからだよね?


どうやったら信じてもらえるんだろ
俺のこと、話して引いたりしないのかな


「……」


杉田さんが部屋から出て行って、俺も脱衣所に入る

がっつり風呂に入る気分でもなかったから適当に汗をシャワーで流してすぐに出た

俺が髪を乾かして戻ると、杉田さんがお盆に食事を乗せて運んできていた


「早っ」


思わず声を上げると杉田さんは「こんなに早く作れるわけないだろ」と笑う


「茜が作っておいてくれたみたいだ」
「茜さんが……」


言われて見てみれば確かに見たことのある料理もある


「ちゃんと温めたから、冷めないうちに食おう」
「うん」


席について食事を始めたはいいものの、俺の頭はちゃんと言わなきゃってことで一杯で味なんかしなかった


もったいないことしちゃったな


食べ終わった食器類は明日片付けるとして、杉田さんは俺に


「疲れただろう。今日は早く寝ろ」


と言った


「……」


首を横に振ると、少し困った声を出される

ストーリーメニュー

TOPTOPへ