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泣かぬ鼠が身を焦がす

第3章 枕


忘れるところだったじゃん!!!


「抱き枕は!?」
「…………俺?」


なにその間!!!
つーかそんなこと言って恥ずかしげないわけ!?

馬鹿か!


「いらない!もっと可愛いのがいい!」
「わがままだな……ふぁ」
「欠伸すんな!」


真面目に聞けチョップ!


「ってぇ」
「ザマミロ」


勝ち誇ったように笑ってやると、杉田さんは俺を抱えて立ち上がった


「わ、何?」
「なんかお前、臭いぞ」
「はぁ!? ひどい!なにそれ!!」
「ギャンギャン騒ぐな。朝から元気だな……」


呆れた顔をされて、カチンときた


「話も聞いてくれないし、挙げ句の果てに臭いとか言う奴のために静かになんてしねーから!!」
「あーもう、暴れるな」


はーなーせーっ!!!


手足をジタバタさせてみるけど、杉田さんは俺を抱え直して社長室に繋がってるのとは別のドアを開けた



ここ入るの初めて


暇な割には部屋の中を漁ろうと言う気にはなれなかった俺は、初めてもう1つのドアの向こうに入る


「? 使ってなかったのか?」
「俺の部屋はあそこだけでしょ」


前に痛い目見たことあるし
余計な詮索はしないのー

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