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泣かぬ鼠が身を焦がす

第19章 七転び八起き


公園には誰もいないから
見てる人も聞いてる人もいない

俺は存分に声を上げて泣いた

よく考えれば人がいないのは公園だけで、近くを通る人ぐらいいただろうし
俺が泣いてたことで遊べない子供もいたかもしれないんだけど

そんなこと考えてる心の余裕はなかった


涙が枯れるまで泣いて
目なんか開いてるのかわからなくなるぐらい腫れて
声が出なくなるぐらいまで叫んで

俺はボロボロのまま止まらない泣きじゃっくりを繰り返していた


拓真さんの馬鹿
少しぐらい俺があげたものちゃんと見ろよ
頑張って作ったのに

馬鹿
馬鹿


1番馬鹿なのは、俺だけど


不審な動き繰り返して、怒られて

馬鹿
俺の馬鹿


心の中で拓真さんと自分自身を詰っていると


あれ、やば

苦し……?


しゃっくりが息のしづらさに変わっていることに気がついた


「ひゅ、ひゅー……っ、ひ」


なに、これ
息吸えな……っ!?


「ひっ……ひゅ、」


もともと体調が悪かったことに酸欠まで加わって、俺の視界は真っ白

耳には耳鳴りみたいな高い音が響いている


あー、死ぬかも


拓真さんと出会う前みたいな状況に内心面白がっている自分がいた

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