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泣かぬ鼠が身を焦がす

第19章 七転び八起き


火を灯すとふわっと香るアロマの香り


手作りでもこんなに上手くいくもんなんだな


なんて感動するぐらい上手く出来た気がする

それに、火を灯すとキャンドルに透けて中に入れた花も浮き上がって幻想的だ

お風呂に浮かべるようには出来てないのが残念だけど、俺的にはすごく満足


ヒトミさん、イケメンありがとー!


俺がお世話になった2人に心の中でお礼を言うと、拓真さんが静かに俺を抱き寄せた

ちゃぷ、と小さく音を立てながら二の腕にお湯を掛けられる


「良い香りだ」
「そう? 良かった」


拓真さんの肩を枕にして寄りかかると、俺の頭にこてんと拓真さんの頭が乗っかった

ちょっと重いけど、その重みも幸せ


なんて、ちょっと馬鹿すぎるな


「イランイランの香りにどんな意味があるのか知ってるか?」


俺が幸せに浸っていると、拓真さんがさも試すような言い方で聞いてきた


拓真さんのイメージじゃなくて
って言ったんだから、効果ぐらい知ってるに決まってんだろ


「知ってるよ。だから選んだんだし」
「へぇ?」


む、疑ってる?


「ストレスとかイライラとかの解消でしょ」
「まぁ、そうだな」

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