
泣かぬ鼠が身を焦がす
第20章 魚心あれば
身体を拭き終えると拓真さんはまた俺をお姫様抱っこして脱衣所から出た
あまりの勢いの良さに、俺も抵抗することを諦めてされるがまま運ばれる
行き着いた先は
ベッド……?
下ろす時は優しく下ろされて、俺は白いシーツに包まりながらぼんやりと拓真さんを目で追う
俺をベッドに下ろした拓真さんはそそくさと俺から離れると何故か部屋から出て行った
「なんなんだ、マジで……」
突然1人でぽつんと残された俺はまだ全裸
え、つーか拓真さんも社長室にバスタオル腰に巻いただけで出て行ったけど?
何がしたいの
「!」
お、戻ってきた……
少しの間出て行った拓真さんはすぐに戻ってきて、俺の上にのしかかる
「拓真さ……重い」
「純、口開けろ」
重いっていう俺の文句もさっきと同様シカトしてくれた拓真さんは俺の顎を持って口を開けさせると、持ってきた水を口に含んで俺に口移しで飲ませてくる
「ぅん……っんく」
それを数回繰り返して
「……っは、よし。水分補給も済んだな」
「ん……水は飲んだけど? え、なにちょっ……」
「暫く出来なかったんだ。もう1回させろ」
「は? 何言って……っうわぁ!? 待っ……ん、んぁ……む、んん……」
そうして拓真さんは誕生日プレゼントだなんだと変な言いがかりをつけてもう1回なんてもんじゃないぐらい俺の身体を好き放題した
