
泣かぬ鼠が身を焦がす
第3章 枕
「……」
少し反省して黙ると、また沈黙が訪れる
暇つぶしに口元まで沈んでぷくぷくと泡を出した
「…………それとさ」
「何?」
「セックス、してくれないの?俺今までの性活的にしないとか無理なんだけど」
「……そうか」
なんだその間
なんだその返事
もー俺本当、おにくを挿れて欲しいのに
自分の指じゃ足りない
「男に抵抗があるの?」
聞いてみると、また少しの間があって
「考えたこともないな」
って言われた
「杉田さんじゃなくてもいいからさ、どうにかなんない?欲求不満で死にそう」
「…………」
それからたっぷり時間があって
「考えておく」
って返事が返ってきた
「早めにね」
「急かすな」
何を迷ってるんだか
女連れ込み部屋に男連れ込んで
性別の違いがあるだけでやることなんか変わんないし
この前指でヤってくれたの超良かったのに
「はふ……」
ため息と欠伸を一緒にしながら腕を伸ばす
それから暫く2人でお風呂に浸かって(俺としては浸からされて)
上がった後はふわふわのタオルを渡された
髪も身体もそこそこに拭いたら、俺はもう一度ベッドに潜り込む
