
泣かぬ鼠が身を焦がす
第24章 鬼も仏も
「ただいま、純」
「おっ……かえり……」
いつも通り帰ってきた拓真さんに
過剰反応した俺
拓真さんもちょっと驚いた顔をしてる
視線を移すと
手には明らかにプレゼントの類だろう、と想像できる可愛らしい小さな包みを持っていた
「……」
俺が黙っていると、拓真さんはその包みを黙ってプレゼントの山の一角に入れる
そして俺に近づいて
「熱は? もう上がってないか?」
と俺の額に手を添えた
それだけ?
茜さんのことは?
つーか、茜さんのそんなとこに入れちゃうの?
色んな思いがぐるぐるして、「うん」と答えた声は驚くほど小さくなってしまった
「元気がないな。やはりぶり返したか?」
「ううん。本当に大丈夫」
俺の言葉に「そうか?」と納得してスーツのジャケットを脱ぎに行ってしまった拓真さん
告白された、とか
わざわざ俺に言うことでもない……のかな……
もしかしたら拓真さんにとっては日常茶飯事的なものなのかもしれないけど
俺としては
なんつーか
信用されてないような気もするんだよ……
だから
「ねぇ拓真さん」
「なんだ?」
「……また誕生日プレゼント貰ったの?」
