
泣かぬ鼠が身を焦がす
第29章 黒白を
だって俺経済的に自立……いや、人に寄生してたけどさぁ
でもほら、お金出してもらって生きてきたわけじゃないし
……所謂、性的虐待? も受けてきたし
あー、これ証言しなきゃいけないのかな
拓真さんが変な顔してんのってこのせいなのかも
「純? どうかしたか?」
「……え? あ、いやなんでもない」
「なら話し続けるぞ」
で、あの人たちから俺の籍を抜くにはあの人たちの承認もいるみたいで
「そんな簡単に認められるかな?」
「昨日言っただろ。絶対に認めさせるための手は打ってあるんだ」
「ふぅん?」
手、ね
その方法に関しては拓真さんは教えてくれなくて、俺は自分がどうすればいいのか
これからどこでどんな話をするのかってことを聞かされた
「突然で悪いが、裁判所に行くまでそんなに日がない。心の準備はしておいてくれ」
「……うん」
拓真さんは心配そうな顔をしてる
でも俺には何の心配をしてるのか全くわからない
だって大丈夫な気しかしないから
拓真さんと、伊藤さんがしてくれた準備はきっと完璧だし
俺も、拓真さんがいるならなんだって出来る
それが例え、生みの親を拒絶することであっても
