
泣かぬ鼠が身を焦がす
第5章 猫の前の
な、何言ってんの……?
予想外の事態に身体を硬くした俺だけど、杉田さんはそんなのお構いなしに俺を抱き上げベッドに下ろした
「へ?ちょ、な……っなに……」
「話は明日。おやすみ」
そしてあれよあれよと言う間に俺を背中側から抱き締めた杉田さんは眠りについた
え
えぇぇぇ?
なにこの状況
「!」
つーか、近い!!
正面から抱き締めるより後ろから抱きしめられる方が身体が密着してる感じがする
話は明日……ってことはやっぱり俺に話があるってことだよね
夜中に追い出されなかったのは良かったけど
この状況はこの状況で
疲れる…………
でも今から杉田さん叩きおこすわけにもいかないし、疲れて寝てるみたいだし
仕方ないか
俺も今日はこのまま寝よう
掴むものがない手は…………
うん、布団でいっか
おやすみ
って、寝れると思ったんだけど
眠れねー!!!!
なんで眠れないかって、そりゃ
この杉田さんの手!
俺の胸に置かれた手がちょっと乳首かすってんだよ
「……ん……」
「……っふ、」
あーもう!
動くなってば
意識しちゃったらもうだめだわ
声出る……!!!!
