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泣かぬ鼠が身を焦がす

第34章 旅は道連れ

純目線

目が覚めると拓真さんはまだ寝てた


やっぱり
疲れてたんかな


うりゃ
うりゃ


拓真さんの鼻を指で弄ると、少しだけ顔が歪むのが面白くてちょっとだけ遊ぶ

けど、暫くやったらちょっと可哀想になったからやめてあげた


「……」


身体に巻き付いた腕のせいで出られないっていうのもあるし、まだちょっと寝てたくて拓真さんの腕の中でじっとしている


でも暇
やることない

せめて拓真さんが起きてたらなー
けど疲れてるのに起こすのもなー

それに本当に起きちゃってもなんて言ったらいいかわかんないし

寂しいなんて言えないもんな


まだ寝てたい、なんてさっき考えたせいでぐだぐだしてたらまた欠伸が出た


やっぱりもう1回寝よう


と、考えたところでふと目に入った拓真さんの胸元

ちょっと汗かいてる、というか蒸れてる?感じで、すごくそそられる


「……」


誰も見てないし、いっか


俺は欲望のまま拓真さんの胸元に顔を埋めた


すごい
拓真さんの匂い、する

安心するけどすごいドキドキして、ちょっとだけ厭らしい気持ちにもなる

不思議な感じ

それにあったかくて

やっぱり眠いや


気がつけば俺は拓真さんの匂いにやられてまた夢の中に落ちていた

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