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頼んで貰ったコーヒーも詳しくない俺ですらすげー美味しく感じるし

この時間だからアレだけど、もしかしたら人気のお店なのかもしれない


「……」
「……」


俺がケーキとコーヒーに夢中で喋らなくなると、元々自分から話すタイプじゃない拓真さんとの会話がなくなってしまった


拓真さん、不機嫌って感じじゃないんだけど……なんつーか話しかけにくい雰囲気


そう思って拓真さんの動向を伺いながらコーヒーを飲んでいると、海の方を見ていた拓真さんが俺に視線を戻す


「この店にはよく通っていた、というよりここの道路をよく利用していたんだ」


さっき通って来た道をよく通ってた、ってこと？


「そうなんだ。会社から遠いのになんで？」


聞いてから、やばい、と思った

だって拓真さんの目が少しだけ揺れた気がしたから
動揺したってことでしょ？


余計なこと言った
聞いて欲しくなかった事なのかも


でも、拓真さんの返事は特になんでもないような態度で返ってくる


「……俺の故郷が、この道をずっと行ったところにあるんだ」
「！」


故郷……そうなんだ
拓真さん、会社の近くの生まれじゃなかったんだ