
泣かぬ鼠が身を焦がす
第6章 病に薬なし
なんかすっっっげー照れ臭い
返事のない杉田さんの背中をポンポン、と叩く
すると、少しだけ俺を抱きしめる腕が強くなった
「わかった。約束する」
「……ん……じゃあ、今日は薬飲んで寝なよ」
「あぁ。すまないが、立つ時肩を貸してくれるか?」
「うん。熱上がってるね。めっちゃ身体熱いじゃん」
俺が身体を押すと、杉田さんは漸く離れてくれた
うあーーーー
なんか!なんか!!
良かった……っていうか
うん
良かったな
仲直りできて
「水を取って貰えるか」
「はぁ? 手伸ばせば届くだろ。……仕方ないな」
俺が渋々水差しを取ってコップに注いでやると、何でか杉田さんはくすくす笑っている
「何笑ってんだよ」
「いや……」
なんだよ
「何?何で笑ってんの?」
「いや、なんでも……」
笑うなっつの!
「なんなんだよ!」
結局俺が何度聞いても杉田さんはどうして笑ってるのか答えてはくれず、「ベッドに行くから肩を貸してくれ」と再度言われれば話を中断するしかなかった
くそ
もーほんとなんなの
「ほら、ちゃんと布団掛けろよ」
「あぁ」
「寒くない?」
「大丈夫だ」
