
泣かぬ鼠が身を焦がす
第36章 一生添うとは
ちょっ……うわぁぁぁ!!!
ダメだってまだ俺が食べてるの口の中に……っ
そんなことも御構い無しに拓真さんは俺の口の中に舌を入れて来て、散々イタズラした後俺の食べていたものを器用に持って行ってしまった
なにこれ……!!!
口移しとか、の次元じゃない、じゃん……!!!
めっちゃ顔熱いし!!!
「……っ」
恥ずかしさのあまり口を両手で抑えていると、拓真さんが
「ん、美味いな」
と言いながら自分の唇を舌で舐めた
「!」
その仕草にすら反応してしまって、俺はもう多分顔もこれ以上ないくらい真っ赤
そんな俺を見て、拓真さんはちょっと笑ってから
「言わ猿の真似か? 可愛い」
と言って俺の口を塞いでる手にちゅ、とキスを落とした
「そのままじゃ食えないぞ。ほら、手退けて口開けろ」
な、なんで今日拓真さんこんなに甘っ甘なの……!!!
俺もうちょいで死にそうなんだけど!!!
とは思うものの、こういう時の拓真さんが俺の言い分なんて聞いてくれた記憶はないから諦めるしかない
「……ん」
俺は拓真さんに食事をさせてもらいながら、ずっと注がれる視線やたまにされるキスに耐え続けた
