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泣かぬ鼠が身を焦がす

第36章 一生添うとは


また今度も唇と比べたら、とそこにもキス


「次はこっち」


拓真さんは次々と指を指して、俺に目尻や鼻、目蓋、鎖骨、首筋に点々とキスをさせた


なんか、慣れた……っつーか
胸がきゅんと痺れて感覚が麻痺してくる感じ

なんだ、これ

すげー……拓真さん好き

って改めて思う……かも


夢中でキスをする俺

そして最後に拓真さんは


「ここ」


唇を指差した


「ん……ぅ」


俺はもう拓真さんへの愛しさで心がいっぱいすぎて、何にも考えずにキスをした

いやむしろその頃には自分からしたくなってた


気持ちいい
やばい


でもいつもと違って拓真さんの舌は俺の唇を割って入ってきてくれなくて、俺から舌を拓真さんの口の中に入れた

綺麗に並んだ歯も、ツルツルした上顎も、全部愛しくてしょうがない

けど


「ん、んー……」


やだ、逃げんなよ……!!!
舌、舐めたいのに!


拓真さんの舌に口の中で逃げられて絡ませて貰えない

唇を合わせたまま俺が抗議するような声を出すと


「ふ」


と拓真さんの笑った鼻息が俺の頬に当たって、ぬる、と絡み付いてきた


頭のてっぺんまでじん、と痺れる感じ
ほんと、やば

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