
泣かぬ鼠が身を焦がす
第7章 馴染めば思う
「もー!無駄使いすんなって!!」
「俺の金なんだから、自由に使ったって問題無いだろう?」
そーだけど!!!
「それに、仕事が減ったお陰でここにいる時間が増えたし、少しでも快適な空間にしておきたいんだよ」
「……っ」
そうなんだ
あの日から杉田さんは仕事を下の人にどんどん任せるようになり、本当に大事な仕事以外はあまり手を付けなくなった
で、暇が出来るとこうやって俺のところにやって来てちょっかいを出してくる
俺としてはただただ迷惑だ
「それで?好きなゲームは?」
「ゲームなんかしたことねーよ。やりそうに見える?」
「なら適当に買ってこよう」
そう言う杉田さんに「えーーーっ」と声を上げる
「まだ金使うの?」
「最近のゲームは進歩してるからな、大人がやっても結構面白いもんだぞ」
またそうやって言い訳して!!!
つーか俺は姑か!!!
でも
「買ってきたら一緒にやろう」
と微笑まれたら気管に何かが詰まって言葉が出なくなってしまう
なにこれ怖い
新手の病気?
それともやっぱり風邪?
なんか苦しいし
今までそんなことなかったのに、妙に杉田さんには突っ掛かりたくなるんだよな
