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泣かぬ鼠が身を焦がす

第7章 馴染めば思う


しかしこの時の俺は知らなかった
この日から杉田さんが俺を構うラッシュが来ることを


「ちょ、杉田さん!? なんかテレビとテレビ台が届いたんだけどこれどうすればいいの!?」
「こんな部屋にずっといては退屈だろう?」
「だからってこんなデカいテレビいらないよ!」


ホームシアターはプロジェクターとスクリーンでやるものだから!!
何を間違えたらこんなどデカい画面のテレビが来るわけ!?

街中に飾ってあるやつみたいな大きさなんだけど


「それと、この前買っておいたソファもちゃんと封を切ってテレビの前に置いておけよ」
「え、あれもここで使う用なの」


俺が嫌そうな声を出すと


「俺が使うんだよ。どうせ暇ならやっておけ」


命令形!!


「あぁ、それとゲームや漫画なんかの娯楽はノラは興味ないのか?」
「え、えぇ!?」


ゲ、ゲーム? 漫画?
そんな単語杉田さんの口から出てくるとは思わなかったわ


「い、いらないよ? ほんとに……」
「何度も言うが、俺用だ」
「ゲームなんて絶対やらないでしょ!?」
「仕事上世の中の流行は知っておくべきなんだよ」


あーーくそ!!
俺の突っ込めないとこで逃げやがって!!!

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