短編集
第1章 金持ち×平凡
「きゃぁ....おはようアルバート君!」
「おはよ。」
「やっときたな、アルー!」
「おはよう。またサッカー?」
「お前いねーと盛り上がんねーよ!」
教室に行けばあっという間にアルの周りは人でいっぱいになる。
どちらかというと地味な俺はそんな空気が苦手で避けるように離れるのが日課。
そして、
「キョーヤ、待って。」
こうやってアルが俺を引き止めるのも日課。
どうしてあんな奴が。
クラスから向けられる嫉妬と好奇心の目が俺にとっては苦痛でしかない。
こんな毎日に俺とアルの間には避けようのない壁があるんだと思い知らされる。