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偽りの向こう側

第18章 ライン五日目

「母さん起きてる?飯食えそう?」

瑛士が私の様子を窺いに寝室まで来た。

寝るどころではなかった。

嵐からの返信がない。

「……食べたくない」
「水分だけでも取れよ」

瑛士はミネラルウォーターの
ペットボトルを片手に
ベッドの傍らに腰を降ろした。

そして私の腰の辺りに手を入れ
「よっこらしょ」と身体を起こした。

昨夜の一幕が蘇る。

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