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偽りの向こう側

第1章 きっかけ

この一年は何もする気が起きず
直樹を思う日々に明け暮れていた。

瑛士は大学生となり自宅から通ってはいるものの
いつ帰ってきていつ出ていっているのかすら
分からず終いだった。

これが普通なのかもしれない。

そもそも私と瑛士は赤の他人なのだから。

唯一のパイプ役だった夫を亡くし私と瑛士の
溝が深まったのは当然なのかもしれない。

朝帰りをしてきた瑛士と起きたばかりの私は
リビングで鉢合わせした。

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