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偽りの向こう側

第1章 きっかけ

「おはよう」
「……あぁ」

リビング中にはお酒の臭いが漂っていた。

こんな時、母親だったら叱咤のひとつでも
するのだろうか。

「大学はどう?勉強大変?」
「……別に」

いつも同様つれない態度。

そうなると私もいつも通りの言葉を口にする。

「私……出ていこうか?」

このマンションは瑛士の名義。

私は居座っている同居人。

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