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偽りの向こう側

第1章 きっかけ

「どうせ行くところなんてないだろ。同じこと
何度も言わせんなよ」

瑛士は冷蔵庫からミネラルウォーターを
取り出すと自分の部屋へと戻っていった。

「ダメだな私は……」

ひとり呟きながらソファーにもたれ掛かる。

瑛士との距離を縮めようとすればするほど
瑛士が遠退いていく気がする。

私がしていることは無駄にすぎない。

今日も長い一日が始まろうとしている。

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