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(旧)短編☆中編小説集

第9章 誘惑~からのLOVE①

・北山side

俺は何故だか今、藤ヶ谷に壁ドンをされ迫られていた

それも、トイレの個室で。



北「…なっ‥なに?…ど‥したの」



何も言わず、ジーッと無言のまま。

遡ること数時間前―



北「飲み会…ですか?」

出川「ダチに誘われてるんだけど、ぜひ北山くん連れて来て欲しいって頼まれたんよ」

北「あぁーでも、俺の知らない人ばかりですよね」

出川「だいじょぶ大丈夫、俺が一緒にいるんだから」

北「まぁーそうですけど」

出川「じゃ、この店に8時集合な」

北「えっ?出川さん、一緒じゃないんですか」

出川「このあと、ちょっと用事があるんねん遅れたらゴメン」



はあっ?さっき一緒って、自分で言ったばかりじゃないですかーもう。



北「はぁ…」



仕方なく俺は、これも仕事の付き合いのうちと思う事にし。



北「俺、これでも自称 人見知りなんですけどね」



ボヤきながらも指定された店へと向かう。



北「えっとえーっと、あっあった!ここ?」



その店はこじんまりとした佇まいで。

どちらかと言えば居酒屋とかではなくカクテルバー?

みたいな感じでさ。

どう見ても出川さんが行くような店には見えない。



北「本当に?」



しかし、渡されたメモにはしっかりと。

"friend"という名前が書いてあってよ。



北「間違いないよな」



半信半疑ながらも、ドアを開け。

カランコロン―



ボーイ「いらっしゃいませ」

北「あの…」

ボーイ「初めてですか?」

北「はい」

ボーイ「でしたらカウンター席へどうぞ」

北「えっ?あ、はぁ」



あれ?違うのかな。



ボーイ「バーテンさん宜しくね」

バーテン「はい、ニコッ」



でも名前は…



北「すみません、この店の名前って"friend"でいいんですよね?」

バーテン「はい そうですが」

北「おっかしいなぁ」

バーテン「どなたかと待ち合わせですか?」

北「のはず…だったん‥だけど」



もしかしてここで待ち合わせをして一緒に行くつもりだったりして。



北「なーんだそういう事」

バーテン「大丈夫ですか?」



だったら納得が行く。



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